家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2026/03/20
相続した土地はいくらで売れる? 知るべき“4つの価格(一物四価)”

相続した土地を売却する際に知っておくとよい「一物四価」について、詳しく教えてください。

Q
今月のご相談

 今回、相続した土地を売却するにあたり、土地の価格について調べていたところ、土地には複数の異なる価格が存在し、それらを称して「一物四価」ということを知りました。「一物四価」とは、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。また、実際に売却価格を考える際のプロセスについて教えてください。

A-1
ワンポイントアドバイス

 一般的に「実勢価格」「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」の4つを総称して「一物四価」と呼びます。それぞれの違いや売却価格を考える際のプロセスについては、詳細解説をご確認ください。

A-2
詳細解説
1.一物四価とは

 同じ土地であっても、評価する目的や評価主体によって価格は異なります。一般に「実勢価格」「公示価格」「路線価」「固定資産税評価額」の4種類に分類され、これらを総称して「一物四価」と呼びます。

 さらに「公示価格」は、国土交通省が毎年公表する「公示地価」と、都道府県が毎年公表する「基準地価」の2種類に分けられます。この2つを区別して扱う場合は、価格の種類が5つになるため、「一物五価」と呼ばれることもあります。

 それぞれの土地の価格には、評価の目的や算定主体、算定方法、利用用途や特徴などの違いがあります。

2.価格の特徴
  1. @ 実勢価格
    理論上の評価額や公的な価格ではなく、実際の市場において取引されている価格を指します。つまり、実際の売買時に用いられる価格です。公示地価などの公的な価格とは異なり、市場の需給や時期、条件などで変動しやすい価格となります。
  2. A 公示地価
    毎年1月1日時点の土地価格を、1平方メートルあたりの単価で示したものです。国土交通省の土地鑑定委員会が、地価公示法に基づいて標準地を選定の上、価格を判定し毎年3月に公表しているものです。一般の取引価格の指標となるものであり、不動産鑑定や公共事業用地の取得価格算定、税務評価の基準などに用いられています。
  3. B 基準地価
    毎年7月1日時点の土地価格を1平方メートルあたりの単価で示したものです。国土利用計画法に基づき都道府県が取りまとめて、毎年9月に公表しています。「公示地価」が都市計画区域内に存する土地のみを対象としている一方で、「基準地価」は都市計画区域外に存する土地についても対象としています。
  4. C 路線価
    毎年1月1日時点の路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートルあたりの価格のことであり、国税庁が公表しているものです。毎年7月に公表される「路線価図」にて確認できます。主に相続税や贈与税の申告時に用いられます。上記の公示地価の8割程度の水準で設定されているといわれています。
  5. D 固定資産税評価額
    市区町村が土地・家屋などの固定資産に対して課税するために定める価格で、固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税などの算定基準として用いられます。固定資産税評価額の算定は、毎年1月1日時点の所有状況・価格を基準とし、原則として3年ごとに評価替え(価格の見直し)が行われます。上記の公示地価の7割程度の水準で設定されているといわれています。なお、固定資産税評価額は、市区町村から毎年4月頃に送付される「固定資産税課税明細書」や「評価証明書」で確認できます。
価格の種類 主な用途 評価主体 評価時期 公表時期 特徴
実勢価格 実際の売買 取引当事者間 市場の需給や時期、条件で変動しやすい
公示地価 土地取引の指標、公的評価 国土交通省 1月1日時点 3月 公的で透明性があり、市場価格に近いが必ずしも一致しない
基準地価 土地取引の指標、補完評価 都道府県 7月1日時点 9月
  • 公示地価の補完、年中間の市場動向を反映
  • 公示地価の評価対象が都市計画区域内であるのに対し、基準地価は都市計画区域外も含む
路線価 相続税・贈与税の計算 国税庁 1月1日時点 7月 公示価格の約8割が目安
固定資産税評価額 固定資産税等の課税 市区町村 1月1日時点 4月
  • 公示価格の約7割が目安
  • 3年に一度、評価替えが行われる

 公示地価や基準地価は国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」で、路線価は「国税庁のホームページ」で、それぞれ誰でも簡単に確認できます。また、不動産情報ライブラリには不動産の売買価格などの情報もある程度掲載されていますので、ぜひご自身で調査されることをお勧めします。

 ただし、売買事例の豊富な情報を持っているのは、やはり不動産業者です。不動産業者は「レインズ」と呼ばれる国土交通省が運営する業者専用のデータベースを使い、より詳しい情報を入手しています。

 相続した土地の売却価格を検討する際は、不動産情報ライブラリや国税庁のホームページなどの公的な情報を参考にしながら、信頼できる不動産業者に相談して価格査定を依頼することが大切です。こうしたプロセスを踏むことで、納得のいく売却価格を把握できるでしょう。

<参考>
 国土交通省「不動産情報ライブラリ
 国税庁「路線価図・評価倍率表

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