家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2023/08/20
不動産を相続する場合のポイント

不動産を相続するのですが、遺言書がありません。どのように分けたらよいのでしょうか。

Q
今月のご相談

 親が亡くなり、不動産を相続することになりました。相続する不動産は、実家とアパート1棟です。相続人は私と弟だけで、遺言書はありません。私は実家で居住しているため、それを引き継ぎたいと思っています。今後、遠方にいる弟と不動産の相続について話し合いますが、この場合、どのように相続すべきでしょうか。

A-1
ワンポイントアドバイス

 不動産を相続する場合のポイントは、なるべく共有にしないことです。詳細は、以下「詳細解説」にてご確認ください。

A-2
詳細解説
1.法定相続と遺産分割協議

 遺言書がない場合、財産の相続は、法定相続もしくは遺産分割協議のいずれかにより決定します。

 法定相続は、民法で定められた割合で相続します。相続人は、ご相談者様と弟様のお二人であり、法定相続分は各2分の1となります。ご相談のケースであれば、実家とアパートは、弟様とそれぞれ共有することになります。

 一方、遺産分割協議は、相続人間の話し合いにより、財産の分け方を決定します。ご相談のケースであれば、実家はご相談者様、アパートは弟様というように、法定相続分と異なる割合で相続することもできますし、不動産を共有することも可能です。

 ご相談者様の意向に沿うのは、遺産分割協議による相続であるといえるでしょう。

2.不動産共有のデメリットに注意

 不動産の共有にはデメリットがあります。例えば、下記の行為は、共有者全員もしくは、持分の価格の過半数の同意がなければできません。ただし、共有物の修繕や不法占拠者に対する妨害排除請求等の保存行為は、各共有者が共有者全員の同意を必要とせずにすることができます。

  • 不動産を売却すること(ただし、自己の持分は売却できます)
  • 建物の取り壊し、建て替え等
  • 建物の外壁・屋上防水等の大規模修繕工事

 共有者と意思疎通が取れている間は問題ないかもしれませんが、次の世代への相続等により、共有者間の関係が疎遠になることもあります。関係が疎遠になると、売却・取り壊し・建て替え・大規模修繕工事等が容易にできなくなるため、未利用であるが固定資産税等の維持管理費を負担する状態に陥り、解決し難い問題となる恐れがあります。

 ご相談のケースであれば、ご相談者様が実家、弟様がアパートを相続することを基本とし、その他の財産を含めて遺産分割協議にて引き継ぎ方を決定していくことが得策であると考えます。

 なお、遺産分割協議を進めていく中で、財産評価や相続税等に関する疑問・問題が生じた場合は、早めに専門家へ相談されることをお勧めします。相続に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

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